店頭販促とは?押さえておきたい基本知識
2025・03・10

店頭販促とは
店頭販促(てんとうはんそく)とは、インストアプロモーションとも呼ばれ、小売店の売上アップのために店内で行われる広告活動、販促活動全般を指します。
店頭販促の目的は、さまざまな要素を組み合わせて商品の認知度を高め、消費者の購買意欲を喚起することです。
店頭販促ではPOPやセール、ディスプレイ、サンプリングなど、さまざまな手法が活用されます。代表的な手法を基本知識としておさらいしましょう。
POP
POPは、店舗内や入り口などで商品やサービスを宣伝するための手法です。POPはPoint of Purchase(購入時点)の頭文字をとったもので、店頭・商品陳列棚など、消費者が商品を購買する場で行われる広告という意味があります。
POPの効果
店舗内の特定の場所に表示されるPOPは、商品の特徴や価格、特別セールなどの情報を消費者に伝えることが可能です。
買い物に訪れた消費者が店舗内を歩いている間に、POPは視覚的なインパクトによって、短い時間で直感的に売り手のメッセージを伝えます。
一般的なPOPの形態には、のぼりやポスター、バナー、サイン(看板)、ディスプレイボードなどがあり、売場や商品によって様々なものが使われています。
セール
セールは、期間限定の割引や特別価格を設定することで、消費者にお得感や緊急性を訴えかけ、購買を促進する手法です。
一般的には、特定の期間やイベントに合わせて行われ、セール期間中に商品を購入することで、消費者は通常よりもお得な価格で商品を手に入れることができます。
セールの効果
割引や特別価格は、消費者に商品を試してもらったり新商品を知ってもらったりする機会を増やすことにつながり、リピート購入を促進する役割も果たします。
特別セールのような販促企画を成功させるには、セールを行う目的をはっきり定め、目的に合わせたセール施策を展開することが大事です。
例えば、在庫の処分や新商品の宣伝など、目的に応じた施策内容で行うことが効果的です。
ディスプレイ
ディスプレイ(陳列)は、商品やサービスを魅力的に展示することで、消費者の関心を引き、購買意欲を高める販促手法の一つです。
デザイン / 配置 / 情報 / インタラクション といった点を考慮することで効果的なディスプレイを行うことができます。
- デザイン
ディスプレイのデザインは、商品のイメージやブランドと一致し、魅力的で興味深いものである必要があります。カラフルなグラフィック、情景再現、鮮やかなカタログ、魅力的な商品配置など、視覚的な要素を活用することが重要です。 - 配置
出入り口や主要な通路、店内のホットスポットなど、消費者が頻繁に目にする場所にディスプレイを展示することで、多くの人々にアピールすることができます。 - 情報
特徴や利点、価格、特別セールなど、消費者にとって有益で関心を引く情報を提供することが重要です。 - インタラクション(相互作用)
インタラクションとは消費者との対話や参加を促す要素です。タッチスクリーンやモーションセンサー、VR・ARなどテクノロジーを活用して、商品やサービスに魅力を感じられるような体験を消費者に提供し購入を促します。
サンプリング
商品やサービスの試食や試用を消費者に提供することで、商品の魅力や品質を実際に体験してもらう販促手法の一つです。
例えば、食品や飲料などの試食を通じて味や品質を確かめたり、化粧品や香水などの試供品を使って効果や感触を実感したりといったことが行われています。
サンプリングを行う場面や方法の例として以下のようなものがあります。
- 店舗内で商品の試食や試用を行う
- 展示会のようなイベントにて、ブースやフードトラックなどで試食や試用を提供する
- 郵送にて、商品の試供品やサンプルを送付し自宅で試してもらう
- 街頭や駅前などのパブリックスペースで、商品の試供品の配布を行う
- パネル調査やモニタリング会員などを通じて、商品の試供品やアンケートを配布する
店頭販促の重要なポイント
以上に紹介した代表的な手法を活用して店頭販促を成功させるために重要となるポイントを簡単にまとめました。
来店客の導線を作り出す
消費者が店舗をどうやって見つけるか、どこに視線を送りながら店内に入るのか、店内ではどこへ足を向けるのかといった行動を考えましょう。
主要な通路や出入り口に、POPやディスプレイ、サイネージを設置したりすることで消費者の目を引き、導線を作り出すことが可能です。
何を販売しているのかわかりやすくする
商品に関するわかりやすい情報を提供することが重要です。商品の特徴や価格、使用方法、特典などをわかりやすく伝えるために、看板やPOPを活用しましょう。
商品の魅力を強調する
商品の特長や利点を強調するために、カタログやポスターを使用したり、商品を効果的な配置でディスプレイすることで、なぜその商品をオススメするのかをしっかり伝え購買を促します。
体験できる要素を取り入れてみる
消費者が商品やサービスを体験できるような仕掛けを取り入れることも効果的です。インタラクションやサンプリングなどを活用することで、商品の魅力を体感してもらい、より購入に近づけることが可能です。
ターゲット層の明確化と戦略立案
店頭販促の成功には、ターゲット層の明確化が不可欠です。
ターゲットが不明確なまま販促施策を展開すると、効果が分散し、コスト対効果が低下する可能性があります。
以下のステップで、ターゲット層の定義と戦略立案を進めることが重要です。
①ターゲット層の分析
まず、自社の商品・サービスが「誰に向けたものなのか」を明確にする必要があります。以下の軸で分析を行いましょう。
- デモグラフィック要因(年齢・性別・職業・年収・家族構成)
- サイコグラフィック要因(ライフスタイル・価値観・趣味・興味)
- 購買行動(購入頻度・購買のきっかけ・購買決定に影響を与える要素)
- 地域特性(都市部・郊外・地方などの違い)
例として、スポーツ用品を販売する場合、ターゲットは「健康志向の高い20〜40代の男女」や「スポーツをする学生とその親」などに分けられます。
②ペルソナの設定
より具体的な顧客像を把握するために、ペルソナ(架空の顧客モデル)を作成します。ペルソナを設定することで、販促の方向性をより明確にできます。
例:30代のビジネスマン向け高級スニーカーの販促戦略
- 名前:田中 タケシ(35歳、会社員)
- 年収:600万円
- 趣味:ランニング、ジム通い
- 買い物の習慣:オンライン購入が多いが、実際に試着して購入を決定する傾向がある
- 店頭販促での有効な施策:試着イベント、ジムとのコラボキャンペーン、SNSと連動した体験型イベント
名前までは詳細に決めなくてもいいですが、人物像を明確にしておくことで、実際の購買までの流れを想定しやすくなります。
③ターゲットに応じた販促戦略の立案
ターゲットを明確にしたら、それに合わせた店頭販促施策を設計します。
- 感覚派の消費者:実際に商品を試せる「体験型ブース」やデモンストレーションを実施
- 価格重視の消費者:「期間限定割引」や「ポイントアップキャンペーン」で購買意欲を刺激
- こだわり派の消費者:スタッフによる専門的な商品説明や、他社製品との比較資料を用意
販促活動の効果測定と改善
店頭販促を成功させるには、実施した施策がどれだけ効果を発揮したかを測定し、結果を分析した上で改善を繰り返すことが重要です。効果測定を適切に行うことで、費用対効果を最大化し、次回の販促戦略に活かすことができます。
① 効果測定の指標(KPI)を設定する
販促の目的に応じて、適切な指標を設定することが大切です。以下のようなKPIを活用しましょう。
売上関連の指標
- 売上増加率(販促前後の売上比較)
- 客単価(1人あたりの購入額)
- リピート率(再来店・再購入の割合)
来店・購買行動関連の指標
- 来店者数(販促前後での来店者数の変化)
- 購入率(来店者のうち購入した割合)
- 滞在時間(どのくらい店内に留まったか)
販促ツールの効果測定
- クーポン利用率(配布したクーポンの使用率
- サンプリングの反応(試供品を受け取った人の購買率)
- SNS連動施策の反響(投稿数、いいね数、シェア数など)
② 効果測定の方法
適切なKPIを設定したら、データを収集し、分析を行います。
- POSデータ分析
レジで記録されるPOSデータを活用し、販促実施前後の売上や購入数の変化を確認する。 - アンケート調査
来店者や購入者にアンケートを実施し、販促施策の影響を把握する。 - 店頭観察・ヒートマップ分析
店舗内での顧客の動線を分析し、販促エリアへの立ち寄り率や滞在時間を測定。 - クーポン・キャンペーンコードの活用
クーポンやキャンペーンコードを利用した顧客数を記録し、販促の効果を可視化。
SNS・口コミ分析
SNSやGoogleマップのレビューなどで、販促施策に対する反応をチェックする。
③ 改善のためのポイント
測定したデータを基に、改善策を考えて次の販促施策に活かしましょう。
- 売上が伸びない場合 → 陳列方法の変更や、販促内容の見直し(例えば「〇〇%割引」ではなく「2点目半額」に変更)
- 来店者数が増えない場合 → SNS広告やチラシの配布エリアを広げる、新たなターゲット層にアプローチ
- 購入率が低い場合 → スタッフの声かけ強化、POP・ポスターの内容改善、体験イベントの追加
- クーポン利用率が低い場合 → 配布方法を変更(紙→デジタル)、有効期限を短縮して即時利用を促進
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店頭販促で必要となる販促物(POPやポスター、紙什器類、備品など)のデザインに関するデータを共有しつつ、印刷発注・出荷依頼、デザイン制作・修正依頼、それらの申請の承認、活動ログ・販促物の注文データ管理などの業務すべてが1つのシステム上で行えるサービスです。
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