カロリーカットで売上アップ?「水」が変える飲料業界
2016・06・17
アメリカ全土を、ペットボトルの水が席巻しているらしい。
アメリカ合衆国といえば、「高カロリーな国」という印象があります。
小学校の給食がファストフードで、基本的にコーラを飲んでいるというイメージ(さすがに言い過ぎでしょうか?)。
高カロリーの食品ばかりで、子供の肥満率が高く、肥満体国とも呼ばれてしまっていますが、2011年に行われたオバマ大統領夫人による「国家的食育運動」など、政府としてもこの現状は強く認識しており、国をあげて肥満対策などを行っているようです。
そうした傾向の中で、アメリカでは健康志向が徐々に高まっているおり、過去15年間全体でなんと61兆~68兆カロリーがカットされたそうな。
その影響で、ペットボトルの水の販売量は2000年時点で47億ガロンだったが、2015年には117億ガロンを超えるまでに増加したとのことです。
というのも、糖類を含む飲料に対して課税する動きがあるらしいです。
フィラデルフィア州においては、この清涼飲料水税は既に決行されているのだとか。
この状況下において、ペプシやコカ・コーラなどの清涼飲料水メーカーはさぞかし苦労しているだろうと思いきや、そうでもないらしいのです。
ペプシコーラのCEOであるインドラ・ノーイ氏によると、ペプシコーラの売上のうち炭酸飲料が占めるのは25%にも満たないといいます。
加えて、健康食品や非炭酸飲料へフォーカスした商品の開発を積極的に行っているそうです。
コカ・コーラは4月の決算発表にて、水や同社ブランドの「ミニッツ・メイド」を含む飲料の売り上げは、前年から7%増であったといいます。(50%以上果汁を含むフルーツジュースは課税対象外なので、ミニッツ・メイドは非課税。)
炭酸飲料をはじめとする清涼飲料水の消費者層には貧困層も多く、課税に対する反対運動も多く起きているそうです。(肥満による健康リスクの増加と医療費負担増を考えれば、むしろ水や低カロリー飲料を選ぶように誘導していく方がお財布に優しいのではと個人的に思いますが。)
しかし、反対側の主な勢力となるはずの飲料メーカーがむしろ好調とあっては、清涼飲料水課税の動きはこれから広がっていくのではと考えられますね。さすが大手、逆境も逆手にとってしまうのでしょう。
Coke and Pepsi are making America healthier with the ‘marketing trick of the century
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