最近よく目にする「メタバース」について
2022・07・13
最近流行の言葉の一つで「メタバース」という単語を目にすることが増えました。
身近な環境にメタバースが存在していることを実感している、という方はまだまだ少ないですが、将来的に発展する可能性を秘めた分野として注目されているのはなんとなく感じているという方は多いのではないでしょうか。
今回はこの「メタバース」について解説いたします。
1.メタバースという言葉
メタバースという言葉が使われる際には「インターネット上に作られた仮想空間やそれを用いたサービス」のことを指す場合が多いでしょう。
元々はSF小説に登場した架空の仮想空間サービスの名称でしたが、IT技術が進歩し仮想空間を利用したサービスが現実にも生まれることとなり、仮想空間を利用したサービスや仮想空間自体の総称として定着することとなりました。
メタバースの定義については明確にコレ!といったものは定まっておらず、そのため、インターネット上に用意された仮想の「場」でユーザー同士がより現実に近いコミュニケ―ション活動を行えるようなサービスが「メタバース的なもの」として、名前を挙げられることが多くなっております。
2.「メタバース的」な様々な事例や用語など
バーチャルオフィス
仮想空間にオフィスを作り、アバター(仮想空間内での利用者の分身となるキャラクター)でそのオフィスに出社できるサービスです。
VRオフィスには現実のオフィスのようにデスクや会議室、休憩室などがあり、ログインやアプリの設定で出社状況や現在の勤務状態などアバターを通してフワッと可視化することが可能だったりします。
アバターを通して同一空間上で働くという一種の世界観を作ることで、リモートワークによるコミュニケーション不足といった課題の解消を目指したものとなっているようです。
多くは3Dのアバターを利用したサービスが主ですが、日立ソリューションズ・クリエイトが提供する仮想オフィスサービスのように写真と2Dのオフィスのフロアマップを使用して出勤状況を可視化するものなどもあります。
バーチャルサイクリング
Zwift Incが運営している「Zwift」というサービスは、仮想世界でのサイクリングを楽しむことのできるサービスです。
専用の機器とアプリを活用して自宅にいながらバイクにまたがり仮想世界に構築されたサイクリング・ランニングコースを一人でもしくは世界中の参加者と走ることができトレーニングからレースまで可能です。
ユーザーが自分でカスタマイズ可能なメタバースのプラットフォームを提供
クラスター株式会社が提供するメタバースプラットフォームのclusterではワールドクラフト機能を用いて、ユーザーオリジナルのメタバース空間を作ることが可能です。
利用者同士のコミュニケーションも可能で、バーチャルオフィスの構築などにも活用されたりしているようです。
3.メタコマースという分野
メタコマースはメタバースとEコマースを合わせた言葉で、そのままECのバーチャル版みたいなものといえます。
2021年に開催された「バーチャルマーケット2021」ではローソンがバーチャル店舗を出店し、商品の展示やからあげクンの制作体験などのコンテンツを提供しました。
また同イベントでは、3回連続でBEAMSが出店しておりVRアバター店舗スタッフを配置して接客を行うなど、メタバースに積極的な取り組みを行っています。
三越伊勢丹が提供する仮想都市空間サービス「REV WORLDS」では新宿を舞台にした仮想世界で実際にショッピングをしたり、VR空間内で開催されるイベントを体験したりすることが可能です。
仮想空間にバーチャルな店舗を用意し、そこでリアル店舗で販売している商品やサービスを見たり、購入したりすることができるといった取り組みの事例が増えております。
メタコマースでは通常のECに比べて「CVRが高い傾向にある」「新規顧客獲得の新しい導入経路になる」「VR技術により店舗やブランドの世界観をリッチに表現できる」と言われており、VRのメリットが評価されている分野と言えそうです。
ファッションブランドのForever 21がメタバースプラットフォームの「Roblox」内にてオープンした「Forever 21 Shop City」では、Forever 21が現実にリリースしたコレクション(商品)をバーチャル店舗でも同時にリリースし、ユーザーがそれらをアバター用に購入することができるといった仕組みが行われています。
Roblox自体はユーザーが自分でゲームを作成したり共有したりすることのできるプラットフォーム型のサービスですが、カスタマイズ性や自由度が非常に高く、様々な企業が仮想空間を活用した体験を提供する取り組みのために利用を始めています。
メタコマースの分野では、VR空間での購買活動での需要や共有が本格的に拡大していくならば、販売促進においてもリアルとVR空間の両方を活用した新しいアイデアや取り組みが必要になったりするかもしれません。
ただし、VRで構築された仮想空間をユーザーの手持ちのデバイスで楽しむには、スマホやPCなどの個々人の環境に左右されてしまうということや、買いたいものが予め決まっていたら余計な演出や手間のないECサイトのほうが便利である、というような側面もあり、必ずしもメタコマースがEコマースの上位互換になれるというわけでもなさそうです。
感想まとめ
いわゆる典型的なメタバースのイメージは、3Dの仮想空間で買い物やコミュニケーションを行うことを目的としたサービスが今は代表的なものとして認知されています。
しかし、それがそのままTHEメタバースとして定着し進化していくかは、個人的にはまだ分からないと思っています。
デバイスの用意や手間、個人間のインターネット環境の違いなど、手軽に利用する上での多くの手間や障壁があるのが現状だからです。
とはいえ、場所や空間にとらわれずに現実に近いコミュニケ―ションや社会活動ができる場として、今後発展していくのは間違いないだろうという見方が一般的です。
エンドユーザー、一般消費者に浸透していくまでに、どのようなアイデアや技術的なイノベーションが起きて、それらの障壁を乗り越えていくのか楽しみですね!
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