DXの定義は何か、おさらいしてみた
2022・04・04
こんにちは。
当ブログでは、販促、DX、最近ではSDGSなどのテーマについても取り扱って、記事にしておりますが、今回はDXについて改めておさらいしたいと思います。
デジタルトランスフォーメーション DXの定義
DXはデジタルトランスフォーメーションの略で経済産業省のDX推進ガイドラインによれば、
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
と定義されています。
ビジネス環境の激しい変化とは
DX推進ガイドラインの冒頭では、
「あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある」
と書かれていますが、デジタル技術の進歩から、GoogleやAmazonに代表されるようなデジタルネイティブ企業が台頭し、これまでの既存の産業へ大きく影響を与える(ゲームチェンジが起きる)というケースが出てきました。
ゲームチェンジが起きつつある、という事例
ではビジネス環境が激しく変わっている、というのはどういうことでしょうか?
デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルが既存のサービスのシェアを脅かしたり、全く新しい切り口で大ヒットした、そういった事例をみてみましょう。
モバイルアプリを活用しタクシー業界の価格破壊を起こした「Uber」
日本では大元の配車サービスよりも、むしろ宅配サービスのUber Eatsの爆発的な流行のほうが印象にある方も多いと思います。
Uberは2009年に設立された企業で、モバイルアプリ経由で配車の依頼~支払いまで完結し、手軽に使えるライドシェアサービスとして普及しました。
タクシーと比較すると料金が安く、アプリで完結できる便利さが強みで、スマートフォンの進化・普及という強力な背景もあって、2017年にはアメリカの陸上交通における法人旅費の50%のシェアを獲得するまでに至っています。
参考:Business travel ground transportation report for Q1 2017
https://skift.com/wp-content/uploads/2017/04/SideStoryReport_Q1_2017.pdf
日本ではUberのサービス開始が遅かったことや、道路運送法による規制など、いくつかの事情がありライドシェアの成功は起きませんでしたが、訪日外国人の増加や、タクシー業界の人手不足などの背景もありライドシェアの普及・必要性についての議論が求められているような状況です。
スマホ時代に爆発的に売れたカメラ「Go Pro」
Go Proは身体に装着して使える、小型でウェアラブルの超画質カメラで、アウトドアスポーツでプロのカメラマンでなくとも迫力がありライブ感のある撮影ができるのが特徴です。
スマートフォンの普及によって誰でもそれなりの性能のデジタルカメラを手軽に扱えるようになった、にも関わらず、特にYoutubeやインスタグラム、TikTokなど、インターネットでの動画視聴の流行と組み合わさって、GoPROならではの臨場感のある撮影をしたいというニーズをとらえ世界的なヒットを生み出しました。
※※※
どちらの事例も、デジタル技術の進歩が、その爆発的な成長の大きな要因となっています。
Uberは、誰でも使えるスマートフォンそして誰もが持っているスマートフォンに搭載されたGPSとそれらを駆使してサービスを提供できるアプリ、こうしたデジタル技術の組み合わせと活用が、アメリカのタクシー業界に大きな影響を与えるようなサービスとして登場したという、典型的なゲームチェンジの事例です。
GoProは高品質なデジタルカメラではありますが、それを使うシーンや体験を前面に打ち出して、プロダクトを使って得られる体験や価値を提供するという、それまでの従来の製品とは全く違う切り口で成功した事例です。一見デジタル技術の革新とは少し遠いようにも見えますが、インターネットの動画視聴やSNSというデジタル分野の市場が成長したことが、その成功の背景の一因にあります
データとデジタル技術を活用するということ
上記の2例は、DX推進の背景にあるゲームチェンジの事例であると同時に、DXの定義における「データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革する」という部分のお手本であるともいえそうです。
スマートフォンアプリやGPS、ウェアラブルや防水、高画質なカメラ。
こうした特徴は、一つ一つを取り出してみれば、まったくの新しい技術で一般的な企業が取り扱うことの出来ないもの、というわけではありません。
既に知られたデジタル技術やありふれたモノでも、発想や提案の仕方次第で顧客に新しい体験を提供することができ大きなヒットを生みだす可能性がある、ということの一例だと思います。
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革する
DXで定義されている内容は、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルを提供することだけではありません。
そうしたビジネスモデルを生み出すにあたって「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革する」ことも必要であると定義しています
DXにはデジタル化やシステム導入といった側面も含まれています。そのため、DXはIT部門が行う仕事、ITに詳しい人にやってもらうこと、といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
ツールやシステムの導入はIT管理を行う部門やそれに準じた知識を持っている方に一任してしまう、というケースはよくあることだと思います。
DX 推進ガイドラインにも失敗ケースとして以下のような例が記載されています。
・事業部門がオーナーシップを持たず、情報システム部門任せとなり、開発した ITシステムが事業部門の満足できるものとならない
・ベンダー企業が情報システム部門としか話ができず、事業部門と話ができない
・要件定義を請負契約にした場合、ユーザ企業が自身の IT システムを把握しないまま、結果として、ベンダー企業に丸投げとなってしまう
こうしたケースを防ぐには、各事業部門(新しいもしくはDXを行うビジネスを担う部門)がDX で実現したい事業企画・業務企画を明確にすることが必要であるとされています。
DX推進のための経営のあり方、仕組みの概要は詳細にDX推進ガイドラインに例示されています。すべてを紹介すると文量が膨大になってしまうため割愛しますが、DXについての情報収集を行っている方は是非ご覧になっていただくのがいいかと思います。
まとめ
今回はDXについて、経済産業省の発表しているDXガイドラインを参考に、基本的な情報や概念をおさらいしてみました。
デジタル技術の活用と一口にいっても、企業やビジネスモデルによって実に多様なケースがあり、自分で理解することも、誰かに説明して理解を得ることも、どちらも大変なことだと思います。
また、理解をしたとしてもそれですぐにDXを実現するためのアイデアが生まれるというものでもありません。
筆者もDXという言葉を初めて聞いた当時は、なんとなくデジタル化やIT化といったイメージしか持っていませんでした。
最近DXという言葉に関わるようになった、という方や、いきなりDXを任された、という方の中には、そのような方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうした方がDXというものについての理解を深める、ほんの少しの助けにでもなれたら幸いです。
投稿者プロフィール
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販売促進部です。
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「販促部門の頼れるパートナー」を目指して、お役立ち情報や販促ネタ、自社の最新TOPICSなどをつぶやいたりしています。
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