デシル分析とは
2016・06・08
顧客分析についての記事の続きです。
顧客分析の重要性は役割について、これまで記事にさせて頂きましたが、具体的な手法についても触れていかなければなかなか実践までは道のりが遠いと思います。
そこで、まずは「デシル分析」について今回はまとめてみました
そもそもデシル分析って?
「デシル」は「デシリットル(dl)」に近い言葉で、ラテン語で「10等分」を意味するそうです。
ちなみにデシリットルは10分の1リットルであります。
そのような意味を持つ「デシル」分析ですが、ざっくりとその概要を引用で説明すると下記のようになります。
デシル分析とは、購買履歴データをもとに全顧客の購入金額を高い順に10等分して、各ランク(デシル1~10)の購入比率や売上高構成比を算出する分析方法のこと。この比率や構成比によって、対売上高貢献度の高い優良顧客層を知ることができる。
参考・引用:https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/decyl-analysis/
購入金額という観点から全顧客を10個のグループに分け、そこから有益な情報を得る分析ということです。
デシル分析の方法
分析の方法自体はとてもシンプルで、様々なWEBサイトにも書かれているように、下記のような手順を辿ります。
①分析対象の顧客(ターゲット)を購入金額の多い順に並べる
②顧客の人数を10個のグループに分け、各グループの購入金額を算出します。
⇒例えば300人いたら、30人ずつのグループに分けます
③購入金額の合計に対して、10個のグループそれぞれの購入金額がどのぐらいの割合を占めるのか計算します。
④上位から累積でどの程度の比率を占めているのか、累積購入金額比率を算出します。
だいたい下図のようなイメージとなります。
※こちらのサイトを参考にさせて頂いております
例えば、あるAという店舗で買い物をした300人のお客様をデシル分析してみます。
- 30人ずつ購入金額の高い順から10のグループに分けます
- 最も購入金額の高いグループ は 平均1000円程度の購入金額
- 最も購入金額の低いグループは平均130円程度
だいたいこんな感じのケースを想定してみます。
数字はランダム関数で適当に作ってみました。
グループが100円前後、500円前後、1000円前後になりましたが、なんとなくコンビニか書店あたりの店舗っぽくなりました。
こちらの様な事例の場合、(デシル1,~4)が70%の売上を獲得している。という情報が分かります。
パッと見ではだいたい500~1000円程度の買い物を行うお客様が多い、ということが分かりますので、さらに各グループにどのようなお客様の属性が多いのか、
どのような商品の購入が多いのか~などといった分析に繋げていくことが出来ます。
顧客のPOSデータを紐づけてみることで
- そのグループの顧客は何回来店しているのか
- そのグループは1回の買い物でどのぐらい使っているのか
- 年齢層や性別はどのようにわかれているのか
といった感じで購入金額が多いグループに対して各セグメントで分析することができます。
例えば【購入金額が多いグループは年齢層が高い】などといった事実が判明したら、『年齢層が高いため、ネット広告ではなくDM/チラシなどで高齢者向けの商品を広めよう!』といったマーケティングを行うこともできます。
課題とまとめ
今回は具体的な分析法としてデシル分析をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
チェーンストア理論から個店対応へとパラダイムシフトが起こっていることを踏まえて、このような分析はどんどん活用していくべきだと思います。
デシル分析は非常に簡単でシンプル分析なので、単純な集計データからエクセルのピボットテーブルなどを活用することで、だれでも短時間で実践することが可能です。
お手軽なだけに、デシル分析単体ではそれほど個別の詳細な分析は出来ず、大まかなセグメントの分析・発見にとどまりますが、実際の売上げデータとの紐づけや活用次第では多くの情報を得ることが出来るのではないでしょうか。
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