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業務設計とは?基礎と取り組み方、フレームワークをご紹介

2024・04・25

業務設計とは?基礎と取り組み方、役立つフレームワークのご紹介

深刻な人手不足で効率化がますます必要とされる中、日本ではなかなかDX化が進んでいないのが現状です。
その要因の1つとして、業務が煩雑で属人化しすぎており、業務フローをデジタル化する以前に、「業務の全体像が見える化されていない」という課題が挙げられます。

本記事では、業務を見える化・効率化するための「業務設計」の考え方と取り組み方を改めて解説していきます。
また、業務を整理する上で役立つフレームワークも紹介していきます。ぜひお読みください。

「業務設計」とは?

業務設計とは、組織が業務を効率的かつ効果的に実行するために、業務プロセスを計画・設計することを指します。
具体的には、業務プロセスの改善や効率化を目指して現状の業務フローを分析し、問題点を洗い出し、改善案を検討・実行していくことです。

業務設計を行うことで、業務の品質向上やコスト削減、スピーディーな業務遂行などの効果をもたらすことができます。
スピードや効率のUPだけでなく、ミスやトラブルなどの発生要因を減らすことも、業務設計の目的に含まれます。

業務設計のメリット

効率化のイメージイラスト

適切な業務設計は、組織や働く人にとって以下のようなメリットをもたらします。

効率的な業務遂行

適切に設計された業務は、タスクや手順が明確になっているため、効率的に業務を遂行することができます。これにより、時間と労力を節約し、業務の生産性が向上します。

ミスやエラーの削減

業務設計で、タスクや手順を明確にすることで、ミスやエラーが発生しにくい状態にすることが可能です。また、設計の中でミスやトラブルの起こる可能性を洗い出しておくことで、発生要因の排除やリスクの把握、有事の際の影響を抑える対策も可能となります。

業務負担とストレスの軽減

重複する作業や目的のわからない煩雑なフローは、働く人にとって大きな業務負担となるだけでなく、「この作業は何のため?」というストレスを与えてしまいます。また、設計されていない煩雑な業務フローは、チーム内で作業の偏りが生まれる原因になります。
適切な業務設計で、業務のムダが減らすこと、負荷を適切に分散することは、働く人のストレス軽減にも繋がっていきます。

人的リソースの最大活用

適切な業務設計には、社員の能力やスキルを踏まえた適切な役割分担・人員配置を行うことも含まれます。
これにより社員は自分の能力やスキルを最大限に発揮することができる上に、効率化によって生まれた時間を別の業務に充てることも可能になります。

働きやすい環境づくり

ムダがなく効率的な業務設計を行うことは、働きやすい環境づくりに他なりません。業務設計には作業場所や作業条件の最適化、適切なツールや設備の提供なども含まれますので、これらを平行して行うことにより、社員満足度とモチベーションが向上します。

業務設計の取り組み方

STEP1~4の図

業務設計の取り組み方は、業務全体を分析し、改善点を特定していくプロセスです。
ここでは、業務設計の取り組み方を、5つのステップごとにご紹介いたします。

【STEP1】 現状把握

業務設計の第一歩は、現在の業務状況を正しく把握することから始まります。
業務に関わる担当者1人1人に、業務の流れ、担当範囲、具体的な作業内容などできるだけ細やかにヒアリングを行っていきます。

どのタイミングでその業務がスタートし、どの時点で作業完了とするのか、使用するツールは何かなど、業務を引き継ぐような気持ちで、具体的に聞き出していきましょう。
ヒアリングの過程で、現場におけるムリ・ムダ・ムラ、エラーやトラブルなどのリスクがないかを把握でき、ボトルネックや改善点の発見につながります。

【STEP2】 課題の洗い出し・改善案策定

次に、現状の課題や問題点を踏まえて、改善案を具体的に策定していきます。

ここでポイントとなるのは、業務設計の目的・方針などを決め、優先順位をつけて対応していくことです。

例えば、エラーが起こる可能性は低いけれど、起こった場合に、大きな損害が発生する問題は最優先に取り組むべきだと言えます。
エラーによって被る損害は小さい場合でも、起こる可能性や頻度が高い問題、顧客や業務に関わる担当者などから不満の声、改善の要求がたびたび上がっている問題などは、優先的に対応していく必要があります。

また、業務設計においては、スモールゴールを設けて関係者に達成感を得てもらうことも重要です。
ちょっとしたフローの改善や少しの工夫で解決できそうな問題も、優先順位を高く設定しておくのがおすすめです。

【STEP3】業務設計・実行

改善案を元に実行計画を策定し、業務に取り入れていく段階です。
ここで重要になってくるのは、まだイメージ段階である業務設計を、いかに周囲へ共有し、実行可能な状態へと落とし込んでいくかです。

具体的には、以下のような点を明確に伝えていきましょう。

  1. 目的: 改めて業務設計を行う目的と背景を明確に説明する
  2. 変更点: 現在行っている業務との違いや改善点を具体的に伝える
  3. 役割: 関係者の担当業務や責任を明確に定義しておく
  4. 影響: 業務設計の変更が関係各所に及ぼす影響をできるだけ詳しく伝える
  5. スケジュール: 計画の進行スケジュールと期日を共有し、協力を促す

また、上記を共有した上で、関係者からの意見やフィードバックは柔軟に受け付け、必要に応じて計画に修正を加えることも重要です。
関係者の当事者意識を醸成し、プロジェクトに協力してもらいやすくなります。

新たな業務設計での運用が開始した後も、引き続き定期的な報告や進捗状況の共有を行うなど、関係者間でオープンなコミュニケーションを行うことで、業務設計・実行がスムーズになります。

【STEP4】モニタリング・改善

最後に、業務設計は策定・実行して終わりではなく、継続的にモニタリングと改善を行っていくことが重要です。

業務が予定通りに機能しているか、当初の目的が達成されているかを評価します。関係者からのフィードバックも受け、不具合や課題点を把握し、改善を行います。

これらのSTEP1~4を習慣化し、日々の業務に活かしていくことが、組織全体の持続的な成長と効率化につながっていきます。

業務設計の過程で役立つフレームワーク

フレームワークのイメージイラスト(付箋と人)

業務改善に役立つフレームワークは多岐にわたりますが、ここでは業界問わず汎用性の高い、代表的なフレームワークの例をいくつかご紹介します。

KPT (Keep, Problem, Try)

「KPT」は「ケプト」と読み、Keep,Problem,Tryの3つの頭文字をとったものです。

取り組み方は以下の通り。

  1. Keep(継続する):現在の業務を振り返り、「このまま継続してよい」と思えるよかった点・成功していることを抽出する
  2. Problem(改善すべきこと):発生している問題・望ましくない事象、なぜそれらが起こるのかを言語化する
  3. Try(新たに挑戦すること):前段階の「Keep」「Problem」を踏まえて、今後どのようにしていくかを具体的なアクションを検討する

KPTの良いところは直感的で、フレームワークの活用に慣れていない方も取り組みやすい点です。

関係者からのヒアリングするような段階で、「今の業務で継続したいこと、課題に感じていること、どうすれば改善できると思うか」のようにKPTに沿って聞いていく、という使い方も考えられます。

現行業務の継続したい点・成功している点にも焦点が当たるので、ヒアリングされる関係者にとっても抵抗感が少ないでしょう。

【詳細記事はこちら】
業務改善のためのフレームワーク「KPT」とは

SIPOC (Supplier, Input, Process, Output, Customer)

SIPOCは、「Supplier(供給業者) – Input(入力) – Process(プロセス) – Output(出力) – Customer(顧客)」の頭文字を取ったフレームワークです。

ここでいう「サプライヤー」や「顧客」は言葉通りの仕入先や顧客ではなく、作業の前工程を担当する部門や人、顧客は後工程の部門や人に置き換えながら考えるのがポイントです。

例えば、会社の支払いプロセスを例に考えてみましょう。

Supplier(供給者)は請求書の送付元であり、Input(入力)は支払いに関する情報であり、Process(プロセス)は支払いの承認や処理方法、Output(出力)は支払い済みの記録やレポートなどであり、Customer(顧客)は支払われた側や報告を必要とする関係者です。

SIPOCは業務全体を包括的に捉え、関係者やプロセス、成果物を整理するのに有効です。

ECRS (Eliminate, Combine, Rearrange, Simplify)

ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(統合)、Rearrange(再配置)、Simplify(簡素化)の頭文字を取ったフレームワークです。
特に、具体的な業務の改善案を検討するフェーズで役立ちます。

  1. Eliminate(削減):無駄な作業や手続きを取り除く
  2. Combine(統合):重複する業務を統合する
  3. Rearrange(再配置):業務の手順や流れを適切に再配置する
  4. Simplify(簡素化):煩雑な業務を簡素化し、業務全体の理解・実行しやすくする

煩雑・複雑化された作業や業務フローに対し、ECRSの視点を持って見直すことで、業務設計の方向性が明確になっていきます。

【詳細記事はこちら】
ECRS(イクルス)の法則とは?ECRSを用いた業務改善のステップを解説

終わりに:業務設計はさらなる効率化への第一歩

適切な業務設計は、組織の生産性向上や品質向上だけでなく、競争力維持・強化にもつながる、必要不可欠な作業です。
無駄なく明確に整理された業務設計は、IT化やBPO(業務プロセスアウトソーシング)などさらなる業務改革を実現するための地盤となります。

さまざまな変化が起こる昨今のビジネス環境において、まずは自社内で起こっていることを整理・把握し、最適化しておくことが、何よりの備えとなるでしょう。

販促業務の効率化には、システム化が有効

商品・サービスを消費者に知ってもらう上で、パンフレット・POP・ポスターなどの「販促物」は必要不可欠。しかしながら、そんな販促物を制作する流れは、非常に複雑かつアナログなのが現状です。

販促物の制作には、販促物の企画・管理を担う広報・マーケティング・営業支援部門などの本部と、販促物を利用する営業の現場担当者・支店・店舗、販促物の制作にかかわるデザイン制作会社・広告代理店・印刷会社など、たくさんの人や部署、企業が関わります。

そうした関係者が互いに連携をとり合う必要がある中、連絡手段はいまだにメール・チャットツール・電話・FAX等、受発注の履歴もエクセル頼み・・そんな企業が企業規模・業界を問わず多数あり、販促物を扱う機会の多い小売・メーカー業界を中心に、各社の大きな業務負担となっています。

当社が提供する販促クラウド「SPinno」は、販促業務の効率化を目的に、販促領域に特化して開発されたクラウドシステムです。

販促クラウド「SPinno」の特徴は以下の通り。

販促業務の一元管理と見える化

販促クラウド「SPinno」は、販促物の企画・制作の取りまとめをする本部と、販促施策が行われる営業拠点・店舗、そしてデザイン会社・印刷会社・倉庫などのサプライヤーをクラウド上でつなぎ、データの一元管理と見える化を実現します。
これにより、メールやFAXといった見落としがちな連絡手段は不要となり、販促物の制作に関する進捗状況も関係者間で見える化されます。

ユーザーフレンドリーなUI/UX

特に営業拠点・店舗などのユーザーから多くいただくのは「販促物専用のECサイトのようなUI/UX」というお声。本部と現場の間で意図の共有が容易となるだけでなく、億劫だった販促物の手配業務がショッピング感覚で楽しく行えます。

画像ファイルの検索時間を短縮

SPinno上では、デザインデータなどの画像ファイルが全てサムネイル表示されるので、必要なファイルにスピーディにアクセスできます。

デザイン編集機能

軽微なデザイン修正であればSPinno上で完結することが可能であり、細々としたデザインの微調整にかかる費用と時間を大きく削減できます。
営業担当やスタッフが修正することも可能なので、より迅速で柔軟な修正が可能となります。

ログの可視化

販促品の受発注に関するログを可視化することで、使用頻度の高いアイテムや在庫整理の参考情報を得ることができます。
印刷量の検討、次の販促物の企画・デザインへの参考など、戦略的に活用いただけます。

新たに販促業務の担当となった方や、これまでの業務内容の見直しを行う方、現在ご利用いただいているシステムやサービスから乗り換え先を検討している方は、是非システム化による業務効率化をご検討ください。

投稿者プロフィール

それ行け!販売促進部
それ行け!販売促進部それ販ブログ管理人
販売促進部です。
販促やマーケティング・ブランディングなどの様々な情報について、まとめ&発信を行っています。
「販促部門の頼れるパートナー」を目指して、お役立ち情報や販促ネタ、自社の最新TOPICSなどをつぶやいたりしています。
販促クラウドSPinno

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販促物管理システム SPinno

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