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フロイトが広報宣伝部を作った?

2016・10・18

この記事を読まれている方の大半が、恐らく関わられているのではないでしょうか、PR、広報宣伝活動。宣伝活動を専門に行う組織を最初に作ったのは、エドワード・バーネイズという人です。ご存じでしたか?

数々の逸話を残した人。

エドワード・バーネイズ氏の功績として一番有名なのは、女性の喫煙を公的に認めさせたことです。

1920年代、アメリカでは女性の喫煙は法的に制限されており、一部の場所もしくは全面的に禁止され、規則を破ると逮捕されることもありました。

そんな中、たばこ産業から要請を受けたバーネイズ氏は、1929年のイースターの日、ニューヨークで行われたパレードにおいて、モデルに自由の女神が持つトーチ、火のついたタバコを持たせてショーを作りました。

そしてこのことを、一般の新聞記事やニュース報道にて取り上げさせたのです。今で言えば、「バズらせた」ということですね。

バーネイズ氏のキャンペーンにより、「女性の喫煙=カッコいい」というイメージが浸透し、たばこが飛ぶように売れたとのことです。

他にも、

・朝食にエッグスクランブルとベーコンを食べる文化を定着させた
・マイホームにピアノを置くのをステータスとして確立した。

など、今も残る様々な文化を作り、売上向上に繋げました。

「プロパガンダ」から「広報」を切り取った人。

第一次世界大戦時、バーネイズ氏はウッドロー・ウィルソン大統領の下、アメリカの広報委員会(CPI)に所属していました。

その際、この大戦の意義を「ヨーロッパにデモクラシーをもたらすこと」として、大衆を戦争支持へ扇動することに、大いに成功しました。

このノウハウを平時に社会で生かすことはできないか、と考えた彼は、「Public Relations(広報)」という言葉でこの技術を職業として確立しました。

つまり、戦時の広報宣伝活動「Propaganda」が広報宣伝部の原点になりますが、ナチスドイツがこの技術を積極的に活用していたことから、イメージを切り離すために「Public Relations」という単語を使用したそうです。

広報活動に「精神分析学」を応用した人。

エドワード・バーネイズは1891年、ウィーンに生まれました。父はジグムント・フロイトの妻であるマルタの弟のエリィ、母はフロイトの妹のアンナで、どちらもユダヤ人でした。

ジグムント・フロイトといえば、現代では非常に有名な精神分析学者です。彼は「男性もヒステリーになる」という考えを主張しており、
これは当時の社会ではタブーとされていたため、長きに渡って医学界から冷遇を受けていました。

そのため、精神分析学は当時ほとんど普及していませんでしたが、これを世に知らしめたのがバーネイズ氏でした。

バーネイズ氏は、フロイトの「精神分析学」と、フランスの心理学者であるグスタフ・ル・ボンや、後に交流を持つウィルフレッド・トロッターが用いた「群集心理学」を融合し、広報宣伝のノウハウに昇華させました。

そして、彼の作った広報宣伝のスキームは、何十年もたった今でもこの業界で適用されています。

広報宣伝の元祖はプロパガンダで、そこに精神分析学を用いたのが「広報」なら、「フロイトが広報宣伝部を作った」と言ってもいいですよね?

バーネイズに学ぶ「8つの原則」。

バーネイズ氏は著書「プロパガンダ」の中で、広告宣伝にまつわる8つの原則を提示しています。

1.目的を明確化せよ
2.徹底的に調査を行え
3.調査で得られた結果に基づいて目標に修正を加えよ
4.戦略を立案せよ
5.テーマ、シンボル、宣伝文句(キャッチフレーズ)を決めよ
6.その戦略を実行するために(第三者による)組織を立ち上げよ
7.タイミングと具体的なやり方を考えよ
8.プランを実行に移せ

Propaganda / Edward Bernays (1928)

現在のPDCAサイクルにもあてはまる、色あせない8項目ですね。

翻訳本もあるので、まだ読まれていない方は是非お読み下さい。

プロパガンダ[新版] エドワード・バーネイズ|AMAZON
https://www.amazon.co.jp/dp/4880862681

まとめ

私たちが普段「広報宣伝手法」として活用しているものは、元々は心理学・精神分析学の一端だったのですね。

現在、様々な手法が様々ところに書かれているので、「今何してるんだっけ?」と迷子になりがちですが、ルーツを探ると、足元が地についたような心地がします…

しんみり…

ちなみに、「マーケティングの父」はまた別の人です!

投稿者プロフィール

それ行け!販売促進部
それ行け!販売促進部それ販ブログ管理人
販売促進部です。
販促やマーケティング・ブランディングなどの様々な情報について、まとめ&発信を行っています。
「販促部門の頼れるパートナー」を目指して、お役立ち情報や販促ネタ、自社の最新TOPICSなどをつぶやいたりしています。
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