FMCGメーカー向け- 小売店とのコミュニケーション強化のポイントとは?
2025・01・21
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FMCGとは、Fast Moving Consumer Goodsの略で、消費者向けの日用消費財を指します。
その名の通り、変化の速い(Fast Moving)、商品回転率が高く、新商品開発から市場展開までのプロセスが短い製品を指して使われます。
具体的には、洗剤や化粧品などの日用品、アパレル、家電、食品・飲料、文房具など、私たちが消費者としてスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストア、量販店などで目にするものが多く含まれます。
商品の回転率が高く入れ替わりが激しいということは、当然ながら、売り場づくりや販売促進もスピーディな対応が求められます。
この記事では、変化の激しいFMCGメーカーの皆様に向け、スーパーマーケット、家電量販店、コンビニエンスストアなどの小売店と、どのようにコミュニケーションを取ればよいのか、独自調査から見えてきた小売店側の視点を交えて解説します。
また、今回の記事で使用しているアンケートデータについては、こちらから掲載しているものとなります。
売り場づくりに関するアンケート調査報告 (2024年7月)
https://www.spinno.co.jp/posts/0730
目次
小売店への提案活動の大切さ
各メーカーが次々と商品を開発するFMCGメーカー企業にとって、営業担当者から小売店への提案活動は非常に重要な役割を果たします。
日用消費財はトレンドや季節によっても売り場の入れ替わりが激しく、気が付いたら「SKUが減らされていた」、「良い場所から移動されていた」といった事態に陥ってしまいます。
こうした状況を未然に防ぐには、小売店と継続的にコミュニケーションを取ってインサイトを理解し、店舗や担当者のニーズに合わせた柔軟な提案を行っていくことが重要となります。
小売店の売り場づくりの裏側
「ちょっと前に訪問したばかりなのに、いつの間にか棚が移動されている…」
メーカーの営業担当なら、一度はそんな状況を目の当たりにしたことがあるのではないでしょうか。
小売店は日々、売上向上のために、売り場やディスプレイを小まめに変更しています。
よく変えていそうなのはわかりますが、具体的に、どのくらいの頻度で作業を行っているのでしょうか。
2024年7月に当社が小売店の売り場づくりに関わるた当社400名以上を対象に行ったアンケート調査で、以下のような回答が得られました。
約60%の企業が「週に1回以上、売り場を変更している」と回答
「どのくらいの頻度で売り場変更を行いますか?」という質問に対し、約60%の企業が、「週に1回以上、売り場の変更を行っている」と回答。
80%の企業が月に1回以上と回答しました。
もちろん小売店の業種や状況にもよって頻度は異なりますので、まずは自社の商品を扱う小売店では、「どのくらいの頻度で、いつ売り場変更を行っているのか」を理解することが重要です。
また、いつ売り場変更を行っているのかがわかれば、「季節を意識した売り場づくり」「平日と土日で異なるターゲットに向けた売り場づくり」など、小売店側のインサイトへの理解が深まるはずです。
小売店が売り場の変更に期待する効果
販売促進に次いで「店舗への集客」「目新しさ・季節感」
- 1位 販売促進・売上向上
- 2位 店舗への集客力向上
- 3位 目新しさ・季節感UP
- 4位 店舗で工夫する楽しみ
小売店は小まめに売り場を変更する背景にはどのような意図があるのでしょうか。
「売り場変更により期待する効果は?」という質問に対し、1位は当然ながら「販売促進・売上向上」でしたが、2位3位は「店舗への集客」「目新しさ・季節感」が続きました。
メーカーとしては自社の商品・売り場づくりのための販促物を制作されているとは思いますが、やはり小売店側はお店全体の見え方を意識した売り場づくりをされていることがわかる回答です。
小売店に販促物を活用した売り場づくりを提案する際は、売上向上を期待できる訴求力に加え、季節感やトレンド感など、お店全体を華やぐようなデザイン・場づくりを意識すると、採用される可能性が上がりそうですね。
業種・職種で異なる「売り場づくり」に対する考え方
前述の小売店に向けたアンケートでは、お勤めの小売店の業種、ご自身の職種についても回答をいただいていました。
ここでは、「業態」「職種」によって特に回答の傾向に違いが見られたところをご紹介します。
【業態別】売り場変更に期待する効果
SM、CVS、DgSで異なる傾向
業態により販促物・レイアウト変更に期待する効果は異なっており、集客力の向上や、目新しさ・季節感UPを一番期待している業種もあります。
営業は商談相手の業種・業態によって、「訴求力が高いもの」「トレンド性が強いもの」「遠くからでも目を引くもの」など販促物を変えていくことで、お客様のニーズに合った提案を行うことができます。
【職種別】売り場づくりの課題
現場寄りか、管理者寄りかで異なるお困りごと
職種別に売り場でづくりで困っていることは?と質問した回答は、以上のようになりました。
やはり現場に近い立場の方にとって売り場づくりは「時間のかかる作業」としての側面が強く、数字を意識する立場になるほどに「効果測定」を課題に感じる傾向にあるようです。
商談相手の立場やポジションを把握した上で、相手に寄り添うコミュニケーションを取り、課題解決につながるような提案を心がけましょう。
【まとめ】FMCGメーカー営業が小売とのコミュニケーションでおさえるべきポイント
1:お客様の頻度に合わせてスピード感のある提案を!
小売店の約60%は1週間に1回以上レイアウトの変更を実施しているため、頻度をおさえて最適なタイミングで提案をすることが重要です。
2:売り場変更/ 販促物に期待している効果は複数ある
小売店は季節感や、目新しさ、集客力UPなど、売上向上の他に様々な効果を期待しているため、様々なバリエーションの販促物を用意することが重要です。
3:提案の切り口は商談相手で変わってくる。
一言に「小売」と言っても、業種はもちろん、職種によっても売り場づくりについて感じているお悩みが変わります。商談相手がどんなことに困っているかを理解し、最適な切り口で提案やコミュニケーションを行うことが重要です。
アンケート参考:
売り場づくりに関するアンケート調査報告 (2024年7月)
https://www.spinno.co.jp/posts/0730
販促物は管理できていますか?
この記事では、小売へ向けて適切なタイミングで行う提案の大事さを解説いたしました。
実際にスピード感を持って提案を行ったり、それに合わせた販促物を用意するための環境やフローは構築できておりますでしょうか?
当社が提供する販促クラウド「SPinno」は、販促業務の効率化を目的に、販促領域に特化して開発されたクラウドシステムです。
販促業務、販促活動で重要となるPOPの受発注、デザインの依頼・承認、デザインのデータ管理・共有を、これ一つで行うことができます。
販促業務の一元管理と見える化
販促クラウド「SPinno」は、POPの企画・制作の取りまとめをする本部と、販促施策が行われる営業拠点・店舗、そしてデザイン会社・印刷会社・倉庫などのサプライヤーをクラウド上でつなぎ、データの一元管理と見える化を実現します。
これにより、メールやFAXといった見落としがちな連絡手段は不要となり、販促物の制作に関する進捗状況も関係者間で見える化されます。
ユーザーフレンドリーなUI/UX
特に営業拠点・店舗などのユーザーから多くいただくのは「POP専用のECサイトのようなUI/UX」というお声。本部と現場の間で意図の共有が容易となるだけでなく、億劫だったPOPの手配業務がショッピング感覚で楽しく行えます。
画像ファイルの検索時間を短縮
SPinno上では、デザインデータなどの画像ファイルが全てサムネイル表示されるので、必要なファイルにスピーディにアクセスできます。
デザイン編集機能
軽微なデザイン修正であればSPinno上で完結することが可能であり、細々としたデザインの微調整にかかる費用と時間を大きく削減できます。
営業担当やスタッフが修正することも可能なので、より迅速で柔軟な修正が可能となります。
ログの可視化
POPの受発注に関するログを可視化することで、使用頻度の高いアイテムや在庫整理の参考情報を得ることができます。
印刷量の検討、次のPOPの企画・デザインへの参考など、戦略的に活用いただけます。
新たに販促業務の担当となった方や、これまでの業務内容の見直しを行う方、現在ご利用いただいているシステムやサービスから乗り換え先を検討している方は、是非システム化による業務効率化をご検討ください。
投稿者プロフィール

- クラウド事業 営業推進Department Manager
- 神奈川県出身。2013年のSPinnoの前身となるアルテック社に入社。以降、販促ソリューション事業にて、消費財メーカーや多店舗展開企業向けに販売促進に関わる企画提案の営業として従事。その後、クラウド事業部にて大手企業を中心に販売促進に関わる業務最適化のソリューション営業を行う。現在は営業推進にてマーケティング、インサイドセールスを管掌。
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