店頭販促の効果はコストに見合っていますか?店頭販促のROI
2024・12・04
当社が全国のメーカー企業に勤める販促担当者に独自に行ったアンケートの結果、店頭での販促物の利用頻度の上昇を感じる人が7割に上るというデータが示されました。
また、その背景には「企画・キャンペーンの増加」があるようです。
現場の販促業務にかかる工数負担が増えている中、その販促活動にどれだけの効果を生んでいるのか、正確に把握、分析している企業は、まだ少ないのが実態です。この記事では、店頭販促物の費用対効果を可視化するために、店頭販促をROIで分析する手法をご紹介します。
7割が、販促物の利用増加を実感
Q.2022年-2022年と比べて、2024年(最近は)
店頭や営業現場での「販促物の利用頻度」は増えていますか?
Q.「販促物の利用頻度」が増えたと感じる理由として
当てはまるものは?(複数回答)
販促物の利用頻度については、「増えている」「どちらかといえば増えている」を合わせると、7割の方が増加を実感しているとの回答でした。
また、その理由としては「企画やキャンペーン」を理由として挙げた回答が最も多い結果となりました。
商業動態統計(経済産業省)によると、2024年上期の小売業販売額は前年同期比で2.7%の増加(※1)と発表されています。
飲食料品小売業、ドラッグストア、百貨店(インバウンド需要)などが、増加に寄与しているとされ、物価高の影響もありつつ、店頭での販促活動は今後も重要となるでしょう。
「販促」の費用対効果の検証は難しい
企画キャンペーンの増加により、販促物の設置や手配など準備作業の増加など、店舗や営業といった現場の業務負担が増えることが考えられます。
販促業務の負担増への対策としては、「人員を増やす」「外部へ委託する」などの選択肢があります。
しかしそうした対策を練る上でも、現行の店頭販促の「費用対効果」がわからないことで新たに費用をかけてよいものか判断がつかず、頓挫してしまうケースも少なくありません。
そして、「費用対効果がわからない」企業では、以下のような問題が起きているケースが多く見受けられます。
- 販促企画で使用したPOPやポスター、ノベルティなどの制作コストを正確に把握できていない
- さまざまな企画を並行して準備しており、施策ごとにかかった時間がわからない
- 過去の施策内容や期間、施策実行による売上への影響が集計できていない
- 店舗・現場で施策がどれだけ注力して実行されたかわからない
販促業務は「企画立案~実施」まで多岐にわたるプロセスがあるため、費用対効果を検証するためには、重要指標の設定と計測が必要不可欠です。
そうした指標が設定されていない場合、正確な効果検証ができず、改善策を見出せない状況に陥ってしまいます。
店頭販促を「ROI」で分析する
ROIとは投じたコスト(Investment)に対し、どれだけの利益(Return)が得られたかを測る指標のことです。
店頭販促に置き換えると、以下のようなものがコストや利益にあたります。
コスト(Investment)に該当するもの
- 販促ツールのデザイン、製作費用
(ポスター、ディスプレイ、チラシ等) - 人件費
- ディスカウントやクーポンの提供コスト
- 広告費用(店頭広告、デジタル広告)
利益(Return)に該当するもの
- 売上高の増加
- 客単価の上昇
- 新規顧客の獲得
- リピート率の増加
- ポイントカードなどの会員獲得数
- SNSによる拡散、UGC発生など
制作費などわかりやすい出費だけでなく 準備にかかった人件費に目を向けてみたり、期間、商品カテゴリ、地域ごとに利益を確認できるようにするなど、コストとリターンを測る上で視点を変えたり、セグメントの設定を行うことが役に立ちます。
例.試食販売プロモーション
店頭での試食販売を行って売上を向上を狙うプロモーションを例に、ROIを説明します。
プロモーションを行うためのコストは、サンプルの費用や人件費、売り場に設置する販促物などがあるとします。
そしてプロモーションを行った結果のリターンは、キャンペーン中にどれだけ売上が増えたか、であると仮定します。
※例中の価格は架空の設定です。
・コスト(Investment)
試食サンプル費用 ¥50,000
スタッフの人件費 ¥30,000
ポスターやディスプレイ等 ¥20,000
合計:かかったコスト ¥100,000
・利益(Return)
期間中の商品売上 ¥150,000
普段の平均的な売上 ¥50,000
合計:キャンペーンで増えた売上 ¥100,000
このように整理することができました。ここから合計リターンと合計コストの金額を用いてROIを計算します。
ROIは一般的に次のように計算されます。
- ROI(%)=利益金額 ÷ 投資金額 × 100
したがって上記の例では
ROI=キャンペーンで増えた売上 / かかったコスト=
¥100,000 / ¥100,000 ×100=100%
となります。
(※ROIは100%以上であれば有益な投資ができたとされています。)
このように、「かかったコスト」と「獲得したリターン」が明確になっていて、2つの数字から計算することができれば、ROIという形で費用対効果の評価に役立てていくことができます。
ただし、この評価方法を実践するには、店頭販促が前提通りに実行されていることが必要となります。
店頭販促の施策実行度
店頭販促をROIで分析するために重要な「店舗での施策実行度」というキーファクターがあります。
実行度を把握する指標は業態や施策内容によりさまざまですが、汎用性の高いものをご紹介します。
販促物の「場所」
- 販促物が顧客の主要な動線に沿って設置、配布されているか
- 販促物が顧客の目に留まりやすく視線をさえぎるものがない位置か
販促物の「内容」
- 販促物が施策とターゲット層に対し 最適な種類(サンプル、チラシなど)
- 販促物がターゲット層に対して最適なデザイン、メッセ―ジか
販促物の「状態」「量」
- 汚れ・破損なく清潔に設置されているか
- 古い施策のものが残っていないか
- 配布物の場合、全ての配布場所で在庫が充足した状態になっているか
施策の「実行者」への浸透度
- 販促施策について、スタッフ・従業員が内容を適切に理解しているか
- 顧客に対して積極的な働きかけを行えているか
例えば、
『キャンペーン期間中に同じ販促物を発注したA店とB店で両店とも売上増加しているが、販促物の設置がされているA店と発注はしたけど設置が正しくされていなかったB店などで、どのように影響があったか?』
こうしたケースで正確に分析していくためには、売上とコストだけでは販促物を使用した効果を測れない場合があります。
実際の現場でどれだけ販促物が売上に貢献したか?といった観点で分析するには、ROIに加えて、販促物の設置をはじめとした施策の実行度も指標として考慮していくことが必要となります。
販促物の発注と管理、集計はSPinnoで。
店舗の売場では様々な種類の販促物が活用されます。
当社が提供する販促クラウド「SPinno」は、販促業務の効率化を目的に、販促領域に特化して開発されたクラウドシステムです。
店舗における販促業務、販促活動で重要となるPOPの受発注、デザインの依頼・承認、デザインのデータ管理・共有を、これ一つで行うことができます。
販促業務の一元管理と見える化
販促クラウド「SPinno」は、POPの企画・制作の取りまとめをする本部と、販促施策が行われる営業拠点・店舗、そしてデザイン会社・印刷会社・倉庫などのサプライヤーをクラウド上でつなぎ、データの一元管理と見える化を実現します。
これにより、メールやFAXといった見落としがちな連絡手段は不要となり、販促物の制作に関する進捗状況も関係者間で見える化されます。
ユーザーフレンドリーなUI/UX
特に営業拠点・店舗などのユーザーから多くいただくのは「POP専用のECサイトのようなUI/UX」というお声。本部と現場の間で意図の共有が容易となるだけでなく、億劫だったPOPの手配業務がショッピング感覚で楽しく行えます。
画像ファイルの検索時間を短縮
SPinno上では、デザインデータなどの画像ファイルが全てサムネイル表示されるので、必要なファイルにスピーディにアクセスできます。
デザイン編集機能
軽微なデザイン修正であればSPinno上で完結することが可能であり、細々としたデザインの微調整にかかる費用と時間を大きく削減できます。
営業担当やスタッフが修正することも可能なので、より迅速で柔軟な修正が可能となります。
ログの可視化
POPの受発注に関するログを可視化することで、使用頻度の高いアイテムや在庫整理の参考情報を得ることができます。
印刷量の検討、次のPOPの企画・デザインへの参考など、戦略的に活用いただけます。
新たに販促業務の担当となった方や、これまでの業務内容の見直しを行う方、現在ご利用いただいているシステムやサービスから乗り換え先を検討している方は、是非システム化による業務効率化をご検討ください。
投稿者プロフィール
- 神奈川県出身。2013年のSPinnoの前身となるアルテック社に入社。以降、販促ソリューション事業にて、消費財メーカーや多店舗展開企業向けに販売促進に関わる企画提案の営業として従事。その後、クラウド事業部にて大手企業を中心に販売促進に関わる業務最適化のソリューション営業を行う。現在は営業推進にてマーケティング、インサイドセールスを管掌。
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