DAGMAR理論とは?広告効果の測定方法をわかりやすく解説
2023・11・21
効果的なキャンペーンを構築するためには、ただ目立つ広告を作るだけでは不十分です。重要なのは、その広告がどのように受け手の心に響き、行動を促すかという点です。この核心に迫る理論のひとつが「DAGMAR理論」と言われます。
この記事では、DAGMAR理論の基本的な概念を解説し、自社の広告の診断方法の具体的な手順までを解説します。
DAGMAR理論とは
DAGMAR理論は広告効果を測定するためのフレームワークです。1960年代にラッセル H.コーリーが提唱したモデルで、「Defining Advertising Goals for Measured Advertising Results」の頭文字をとって「DAGMAR(ダグマー)理論」と呼ばれます。
- D= Defining(定義すること)
- A= Advertising(広告の)
- G= Goals of(目的)
- M= Measured(測られる)
- A= Advertising(広告の)
- R= Results(結果)
日本語訳するとしたら「広告効果を計測可能にするために、広告の目的・ゴールを明確化すること」となります。
購買までの5段階のプロセス
DAGMAR理論では、消費者が購買に至るまでのプロセスを5段階に設定しています。これを「コミュニケーション・スペクトラム」と言います。
1つ1つ見ていきましょう。
①Awareness(認知)
潜在的な顧客が製品やサービスに対して認知する段階です。広告の目標は、ターゲット市場に対して商品やブランドを知らせ、意識を高めることです。
②Comprehension(理解)
認知段階での顧客が、広告で提示された情報を理解し始める段階。製品やサービスの特長や利点についての理解が深まります。
③Conviction(説得)
顧客が商品やサービスに対して肯定的な態度を形成し、購買を検討する段階。広告は、商品やサービスの優位性や魅力を強調し、顧客に説得力をもたせることが求められます。
④Action(行動)
顧客が実際に商品やサービスを購入する段階。広告の目標は、購買意欲を行動に結びつけることです。
⑤Post-Action(購買後の行動)
購買後に顧客が満足し、製品やサービスに忠誠心を抱く段階。また、リピート購買や口コミの形成も考慮されます。広告は顧客の関与を維持し、製品やブランドのポジティブなイメージを維持するために役立ちます。
DAGMAR理論は、5つの段階を順にクリアすることで最終的な成果を達成するという考え方に基づいています。コミュニケーションの各段階(①〜⑤)に応じた明確な目標を設定し、施策の実行前と後で数値を計測することにより、施策の効果を具体的に評価することが可能です。
また、業界などにより解釈や活用の仕方に若干の違いがあり、①を認知の前段階の「unawareness(未知)」とし、未知から認知までの段階にも目標を設けたり、④を「トライアル・試し買い」、⑤を「リピート」と捉えて、戦略を立てることがあります。
広告効果を測定するための具体的なステップ
DAGMAR理論を活用して自社の広告効果を測定するには、まず広告キャンペーンの具体的な目標を設定し、それらの目標が達成されたかどうかを測定するための明確な基準を定義する必要があります。具体的な手順をご紹介します。
ステップ 1: 広告目標の定義
目標の特定
広告キャンペーンで達成したい具体的な目標を特定します。例えば、特定の商品の売上を増やすことや、新規顧客の獲得を目指すことなどを指します。
SMART基準の適用
目標は具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性がある(Relevant)、時間枠が定められている(Time-bound)でなければなりません。
ステップ 2: ターゲットの特定
ターゲットの分析
広告が影響を与えるべき具体的な対象者を特定します。世代や性別、行動エリア、興味・趣味、購買行動などを考慮し、具体化していきます。
ステップ 3: コミュニケーション戦略の開発
メッセージの作成
ターゲットオーディエンスに響くメッセージを開発します。このメッセージは、設定した広告目標をサポートするものでなければなりません。
適切なチャネルの選択
ターゲットに到達するための最適なメディアチャネル(テレビ、ラジオ、オンライン、ソーシャルメディアなど)を選択します。
ステップ 4: 実施前のベンチマーク設定
現状分析
キャンペーン開始前のベンチマークとして、現在の認知度、態度、行動パターンを測定します。例えば、Web広告であれば、広告の表示数やクリック数、売上の増加率などです。
ステップ 5: キャンペーンの実施
キャンペーンの展開
計画に従って広告キャンペーンを実施します。
ステップ 6: 効果測定と分析
データ収集
キャンペーンの効果を測定するためのデータを収集します。これには、ウェブサイトのトラフィック、販売データ、市場調査の結果などが含まれます。
結果の分析
収集したデータを分析し、設定した目標に対する達成度を評価します。
ステップ 7: 結果のレビューと調整
成果の評価
目標達成度を評価し、成功した要因と改善が必要な領域を特定します。
フィードバックの活用
得られた知見を次のキャンペーンの計画に活用します。
このステップに沿って進めていくことで、DAGMAR理論を基にした広告キャンペーンの効果を体系的に測定し、継続的な改善を図ることができるでしょう。
DAGMAR理論でデータ駆動型の意思決定を
DAGMAR理論は、広告効果を測定し最大化するサポートをしてくれるものです。この理論に基づいたアプローチを通じて、具体的で測定可能な広告目標の設定から始め、各段階での分析と改善を行いましょう。
重要なのは、常に目標を明確にし、データ駆動型の意思決定を行うことです。この記事が貴社の広告戦略を次のレベルへと引き上げる一助になれば幸いです。
店頭販促・オフラインの販促活動の効果検証には、システム化も有効
今回ご紹介したDAGMAR理論は広告に対する効果測定に役立つ理論です。
チラシやPOPを用いた店頭販促・オフラインマーケティングの効果検証を行いたい場合、販促業務をシステム化し、各種のデータを見える化できるようにすることも効果的です。
当社が提供する販促クラウド「SPinno」は、販促業務の効率化を目的に、販促領域に特化して開発されたクラウドシステムです。
販促クラウド「SPinno」の特徴は以下の通り。
販促業務の一元管理と見える化
販促クラウド「SPinno」は、販促物の企画・制作の取りまとめをする本部と、販促施策が行われる営業拠点・店舗、そしてデザイン会社・印刷会社・倉庫などのサプライヤーをクラウド上でつなぎ、データの一元管理と見える化を実現します。
これにより、メールやFAXといった見落としがちな連絡手段は不要となり、販促物の制作に関する進捗状況も関係者間で見える化されます。
ユーザーフレンドリーなUI/UX
特に営業拠点・店舗などのユーザーから多くいただくのは「販促物専用のECサイトのようなUI/UX」というお声。本部と現場の間で意図の共有が容易となるだけでなく、億劫だった販促物の手配業務がショッピング感覚で楽しく行えます。
画像ファイルの検索時間を短縮
SPinno上では、デザインデータなどの画像ファイルが全てサムネイル表示されるので、必要なファイルにスピーディにアクセスできます。
デザイン編集機能
軽微なデザイン修正であればSPinno上で完結することが可能であり、細々としたデザインの微調整にかかる費用と時間を大きく削減できます。
営業担当やスタッフが修正することも可能なので、より迅速で柔軟な修正が可能となります。
ログの可視化
販促品の受発注に関するログを可視化することで、使用頻度の高いアイテムや在庫整理の参考情報を得ることができます。
印刷量の検討、次の販促物の企画・デザインへの参考など、戦略的に活用いただけます。
新たに販促業務の担当となった方や、これまでの業務内容の見直しを行う方、現在ご利用いただいているシステムやサービスから乗り換え先を検討している方は、是非システム化による業務効率化をご検討ください。
投稿者プロフィール
- 神奈川県出身。2013年のSPinnoの前身となるアルテック社に入社。以降、販促ソリューション事業にて、消費財メーカーや多店舗展開企業向けに販売促進に関わる企画提案の営業として従事。その後、クラウド事業部にて大手企業を中心に販売促進に関わる業務最適化のソリューション営業を行う。現在は営業推進にてマーケティング、インサイドセールスを管掌。
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