ラマダンがもたらす経済効果とは
2016・07・13
小学校・中学校ぐらいの社会史で習うかと思います。
「ラマダン」といえば「断食かな?」ぐらいの知識は誰もが持っているのではないでしょうか?
ヒジュラ歴というイスラム教社会で使われる暦で第9月をラマダンといいます。
この暦においてもだいたい30日前後が「1か月」の単位となり、第9月の1か月間において、イスラム教社会では断食を行う風習があります。
ヒジュラ歴は閏月を考慮しない純粋太陰暦なので、実際の季節と暦の表記が毎年11日ほど太陽暦と比較してずれていきます。
そのためラマダンの時期が2005年では日本の10月だったのが、今年は日本では6月となっております。
断食について
ラマダンの断食は、1か月の期間中完全に絶食をしてしまうのではなく、「日中の飲食を控える」というものです。
日中は飲食を行わず、日没から日の出までの間に1日分の食事を摂っておくそうです。
夜になったら食事が出来る、ということなのですが、それでも妊婦や病人など健康上の影響などが無視できない場合など、合理的な事情がある場合は免除されることもあるようです。
その適用の範囲や程度などある程度柔軟性が認められます。
ラマダン期間に行われる「日没から日の出までに1日分の食事をしておく」という習慣により夜の間の食事は普段よりも盛大になることが普通で、日没後はすぐに食事をとり日が昇るギリギリまで食事を摂っていることが良いこととされます。
むしろ必要以上の断食はよくないことであり、日没後も食事を摂らないなどは相応しくないとされています。
ラマダン中~ラマダン明けの消費に影響を与える
ラマダン期間では夜に盛大に食事を行い、食いだめを行うぐらいなので、当然食料品の売れ行きも非常に多くなるそうです。
お菓子や飲料などの食料品、衣服、電化製品などの売上げが増え、ラマダン明けのレバランという休みを含めた期間の消費は、イスラム教社会の経済圏では、1年のうちの消費量の30%になると言われています。
レバランでは1か月続いた断食明けを祝うという風習があり、特別な祈りを行ったり、長期休みをとったりします。
暦上では2日間ですが、休暇をとり帰省をしたりボーナスをもらって買い物を行うことも多いようです。
このようにラマダン期間~ラマダン明けでは、その習慣から短期的に消費にインパクトを与えるため、経済圏へ出店を行っているメーカー様や小売店様では、特需に対応するための仕入れの増加やキャンペーンなどが非常に重要な戦略となります。
ラマダンに関わる、需要の集中に商戦
最近でも下記のようなニュースがあります。
ユニリーバではイスラム教徒の女性が身に着けるスカーフ「ヒジャブ」を着用する人向けに、強めの香りがするシャンプーを売り出しました。
グローバル企業である大手食品や化粧品販売メーカーなど、16億人もの人口が存在するイスラム教圏市場へ向けて、ラマダン特需へのアクションは非常に重要な企業戦略の一つとなっているようです。
参考:URL
断食月・ラマダン始まる イスラム教徒への影響とは
http://sirabee.com/2016/06/09/131141/
プアサとレバラン 知っておきたいこと (2014年07月11日)
http://www.jakartashimbun.com/free/detail/19073.html
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